こんにちは。窪川地区担当の岸です。
私の前回のブログでは、イノシシのわな猟について紹介させていただきましたが、わな猟の一環で山歩きをしていて目につくのが、荒廃農地や廃屋です。谷奥の川沿いの山裾には、石積みの炭焼き窯の痕跡があったりします。かつて水田だったところが、杉林や雑木林になっていることも珍しくありません。今後、10・20年間で、こうした状況にますます拍車がかかっていくことでしょう。
こうしたことから、手間のかからない山菜などを育てて、耕作放棄地対策にできないかと考え始め、3月ごろから山菜探しに町内外を奔走、3月下旬に土佐和ハーブの会の催しに参加して、自分の考えを話したところ、山野草に詳しい方から、「それならマコモ茸がオススメよ!」とアドバイスを受けました。
マコモはイネ科の植物で、水田のような湛水された場所で育ちます。秋になって水温が下がると、寄生菌の作用で茎の根元が太り食用となります。食感は、竹の子とアスパラを足して2で割った感じ。食味は、ほんのり甘いさとうきび味。専門書を購入して確認したところ、「食感もよく、中華や洋食にももってこい。手間のかからない割に収益性が高く、将来性もあるイネ科の作物」と書いてあったことから、試験栽培を即断しました。
川漁の師匠に相談して、相去(あいざれ)地区に3畝弱の水田を確保。土佐あか牛の堆肥を調達、耕運と代掻きを行ってもらい、仁井田地区の新規就農者さんに苗を分けてもらい、4月下旬に独りで田植えを行いました。
代掻きをする前、80代の男性と水路掃除を行って、最寄りの河川から取水し、水路の中を水が健気に推し進んでいく光景は、言葉に出来ないぐらい感激ものでした。男性には、毎日水の管理をしてもらい、時折、農業の話をしたりする心の交流をすることが、これまた田舎暮らしの醍醐味です。
最近は、妻にも手伝ってもらい、2度目の除草(ヒエ取り)を行い、無農薬栽培の大変さを痛感する今日この頃。9月下旬から10月にかけては、大好きな川漁に支障が出るほど、収穫作業に追われるとのこと。今年は、地元相去の収穫祭で、地元の人たちにマコモ茸をふるまうのが今から楽しみです。