車中泊で四国西部巡り

こんにちは。窪川市街地活性化担当の岸豊です。今回は、GWに車中泊で妻と    四国西部を巡ったお話をさせていただきます。 車中泊はいま国内でとても流行っているようで、ユーチューブを観ると、クルマを車中泊用に改造し、仕事を辞めて全国行脚しながら、動画を投稿して旅費を捻出しているやり手の夫妻やカップルもいます。自分は、鮎の友釣りで各地を遠征しますが、テント泊は苦手なので、車中泊仕様のクルマが必要になった次第です。 クルマはコスパを考え、スズキのエブリィと同車種の軽バンを仕入れました。まだ改造はしてなく、後部をフルフラットにし、銀マットの上にニトリで買ったマットレスをはじめ、寝袋、ローテーブル、電気式ランタン、ポータブル電源やソーラーパネルなどを積み込んで四万十町を発ちました。 黒潮町大潟地区の海岸線の車道を進むと、お遍路さんがあちこちにいらっしゃいます。遍路さんは、必ずしも幹線道路やお遍路道を通るわけではなく、思い思いの道を歩かれるのだと知りました。四万十町にある37札所と38番札所の金剛福寺までの距離は80数キロ。車で走っても遠いお遍路にたじろぎました。 その夜は、宇和島市の道の駅「やすらぎの里」に宿泊しました。大規模で手の込んだ温泉付き。食料品や特産品の品揃えやコスパも良く、これまで行った道の駅の中で最強と言ってもいいかも知れません。 翌日は、憧れの日本一細長い岬の佐田岬に。あいにくの曇り空でしたが、瀬戸内海と太平洋側の海が両側に一望でき圧巻です。岬の手前にある三崎港からはフェリーでわずか70分で大分県に渡れます。運賃は軽自動車なら約7000円。これなら、秋の大鮎釣りの球磨川(熊本県)遠征にも申し分ありません。 佐田岬で一番感動したのは、愛媛みかんの美味しさです。せとか、清見タンゴール、でこぽん、小夏。生活道路沿いの直売所に格安で売っている時期外れのみかんと思いきや、その予想外の美味しさにビックリ。同じ“せとか”なのに、遠方のスーパーで売っているものより、ジューシー、かつ味が濃厚、甘みに加えて酸味もあり、みかんのツブツブもしっかりしています。 佐田岬の後は、大洲城を観た後に肱川を上流に向かい、西予市の茅葺き屋根民家の土居家に行きました。物凄く辺ぴな山奥にありますが、どうしてこんな人里離れたところに集落が発生したのかというと、江戸時代に宇和島藩の年貢の取り立てが厳しいため、夜逃げ同然でこの地に移り住んだとのことです。 自分は、猪や鹿猟をやるので、四万十町や黒潮町の山地をあちこち歩きますが、時折どんづまりの山奥に、杉が植林されたかつての水田を目にします。こうしたかつての水田について、狩猟の師匠は「隠れ田んぼ」と教えてくれたことがありますが、四国の地は、平家の落人伝説だけでなく、年貢の取り立てに苦しめられて生き抜いて来た人々の歴史があるのだと思いました。 旅の終わりは、松山市、西条市、寒風山トンネルを経て、いの町本川を経由し、仁淀川町椿山(つばやま)という寒村を訪ねました。この地は、かつて焼畑が盛んに行われた地域で、中居正広主演の映画「私は貝になりたい」の撮影地にもなったそうです。その辺ぴさ、車でのアクセスは、日本三大秘境の祖谷地域を超えています。 もう定住者がいないとの仁淀川町の方から聞かされ、限界集落を超えた廃村をイメージ、誰にも会えないかも知れないと思って現地に乗り込んだのですが、思いがけず、急斜面でジャガイモの畑作業をしている女性に行きあうことができました。女性は、出身地のこの地を愛され、高知市から頻繁に通っていること、他にも住人が数軒あり、定年退職後にこの地に戻って来る男性もいると教えていただき、心が暖まりました。車中泊の話は尻切れとんぼになりましたが、またの機会にご紹介させていただきます。
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